各センター・治療室のご紹介
血管内治療センター
近年の手術手技や機器の目覚ましい発展により、低侵襲の血管内治療が急速に拡大しています。従来直達手術の適応であった疾患や、治療の適応外であった疾患に対しても血管内治療が行われ始めています。さらに脳血管疾患、冠動脈疾患、大動脈疾患および末梢動脈疾患の同時合併例や、頭頚部など境界領域病変に対する血管内治療の必要性も高まっています。この様な現状の中、当院では関連する診療科で個別に行われてきた血管内治療を統合し、2020年に血管内治療センターを立ち上げ体系化した治療を開始致しました。
当センターでは、特に全身の血管病変である動脈硬化性病変に集中的に取り組んでおります。動脈硬化は、動脈の壁にコレステロールなどの脂質がたまり、硬くなったり狭くなったりし血液の流れが悪くなる状態です。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙、肥満なども動脈硬化を進行させます。
動脈硬化が進行すると脳や心臓、そして全身の血管に障害が生じ、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こします。
心臓と脳の血管病変を合計した死亡率は全体の4分の1に達し、死亡率1位のガンに匹敵する多さとなっています。
また足の血管が狭くなれば歩くときに痛みを感じる場合や、完全に閉塞してしまうと切断に至ることもあります。
このように全身の血管病変である動脈硬化性病変は、これまでは血管内治療に関わる各科(循環器内科、放射線科および脳神経外科)で個別に治療が行われてきました。当センターは関連する診療科で個別に行われてきた血管内治療を統合し、体系化した治療を行うことで患者さんの予後改善に取り組んでおります。
那覇市立病院 血管内治療センター設立骨子
I 目的
近年の手術手技や機器の目覚ましい発展により、血管内治療の適応が急速に拡大している。さらに従来直達手術の適応であった疾患や、治療の適応外であった疾患に対しても血管内治療が行われるようになってきている。このような中、脳血管疾患、冠動脈疾患、大動脈疾患および末梢動脈疾患の同時合併例や、頭頚部など境界領域病変に対する血管内治療の必要性が高まっている。
関連する診療科で個別に行われてきた血管内治療を統合し、血管内治療センターとして体系化した治療を行うことは、治療の高度化さらに患者の予後改善に寄与する。
以下を那覇市立病院 血管内治療センター設立の目的とする。
A【センターの位置づけ】
血管内治療に関わる各科(脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科および放射線科)を統合した診療体制構築により、病院機能の強化・充実に寄与する。さらに周辺の病院や診療所からの24時間受け入れ態勢も円滑となり、地域完結型医療の中核的存在を担う。
B【治療の体系化・高度化】
従来各科毎に行われていた脳血管疾患、冠動脈疾患、大動脈疾患および末梢動脈疾患に対する血管内治療を統合する事で、体系化した治療が可能となる。さらに同時合併例や境界病変にも円滑かつ高度な治療が可能となる。このように関連各科との縦断的な連携は、血管内治療の更なる高度化を促進する。
C【教育・研究】
関連各科の連携による血管内治療の体系化・高度化は、医師、看護師および医療スタッフの教育や質的向上に貢献する。またプレホスピタルケアを担う救急隊、後方支援を担う回復期病院、診療所との連携強化や勉強会開設等の院外教育を担う中心的役割を果たす。さらに地域での講演会等の啓蒙活動を行い、血管内治療の普及に努める。
加えて、体系化・高度化した質の高い治療過程で得たデータから、先進的な研究報告を行っていく。
II 特徴
- A 24時間365日治療可能な救急診療体制
- B 関連各科のセンター化による迅速かつ円滑な診療体制
- C 血管内治療専門病棟と集中治療:将来的には血管内治療専門病棟を設置し、集中治療室ベッドの有効利用を強化
- D 関連各科の血管内治療専門医が協同する体系化・高度化した治療
- E 各科専門医のみならず関連部門との協同による専門チーム医療
- F 外科的治療に留まらず、高度な内科的治療および予防的治療を提供
- G 地域医療機関との密な診療体制の構築
対象疾患
脳動脈、冠動脈および末梢動脈の動脈硬化性病変。特に多発合併例に対し集約的治療を行っています。
また、これまでどの診療科でも治療が困難であった境界領域の病変(頭頚部・口腔内・脊髄・脊椎など)の治療を積極的に行っています。
特に力を入れている疾患
全身病としての動脈硬化性病変
スタッフ紹介
最新の脳神経血管内手術を数多く行っております。患者さんに優しい手術を心がけています。
専門領域 | 脳神経血管内手術 |
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卒業大学/卒業年 | 琉球大学/1994年 |
職歴 | – |
認定・資格等 | 脳神経外科専門医 脳神経血管内治療専門医・指導医 |
専門領域 | 循環器内科・不整脈・カテーテルアブレーション |
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卒業大学/卒業年 | 琉球大学・群馬大学大学院/1994年 |
職歴 | 群馬大学 第2内科 国立高崎病院 済生会前橋病院 公立多野藤岡総合病院 公立富岡総合病院 CHANG GUNG MEMORIAL HOSPITAL(台湾) 北関東循環器病院 高崎総合医療センター |
認定・資格等 | 日本内科学会 認定内科専門医 日本循環器学会 認定循環器専門医 日本不整脈心電学会 学会認定不整脈専門医 医学博士 American Heart Association BLSインストラクター |
専門領域 | 放射線画像診断・救急画像診断 |
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卒業大学/卒業年 | 琉球大学/1990年 |
職歴 | 琉球大学医学部附属病院 大浜第一病院 ハートライフ病院 |
認定・資格等 | 放射線診断専門医 検診マンモグラフィ読影認定医 |