当院について
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令和5年度 那覇市立病院 病院指標

令和5年度 那覇市立病院 医療の質指標

令和5年度 那覇市立病院 病院指標

1.年齢階級別退院患者数
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,929 308 301 439 721 994 1,578 2,174 2,055 679

当院は毎日救急患者さんを受け入れており、特に小児科は常時小児科医が急病センターに配置されています。
その為10歳未満の小児科入院患者さんの約半数は急病センターを経由しています。また、地域医療支援病院である為に、近隣のクリニックや、介護施設からの紹介入院も多く、50歳以上の緊急入院も非常に多くなっています。さらに、がん診療拠点病院の為、悪性腫瘍の紹介患者も多く、好発年齢の高齢者が多い一因です。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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100小児科

110外科

120整形外科

130形成外科

150脳神経外科

220産婦人科

230眼科

240耳鼻咽喉科

300皮膚科

310泌尿器科

340呼吸器内科

350循環器内科

410腎臓内科

480血液内科

500消化器内科

530糖尿病内科

600総合内科

小児科 診療科コード 100

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 361 5.14 6.37 0.28 3.04
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 186 7.02 6.07 9.68 0.00
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 164 5.65 5.96 0.61 1.05
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 154 5.36 5.62 0.65 2.90
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 118 5.43 5.86 0.00 2.29

当院の小児疾患は感染症が多く、特に呼吸器感染症もしくは、それに誘発された呼吸器疾患が多いのが特徴です。RSウイルス感染等により引き起こされる急性細気管支炎などは乳児に多く、急激に呼吸状態の悪化を来たしやすく、また喘息の発作も夜間に多いこともあり、両疾患は夜間救急受診が多くなっています。

外科 診療科コード 110

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 63 5.73 5.98 0.00 58.06
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 57 4.30 4.55 0.00 69.12
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 6.68 6.87 4.26 66.53
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 47 7.62 9.88 2.13 63.62
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし 46 5.50 7.94 0.00 54.80

当院はがん診療連携拠点病院のため、外科ではがんの手術を優先して行っています。内訳は、肺癌・食道癌・胃癌・大腸癌・肝臓癌・胆道癌・膵臓癌・乳癌・甲状腺癌等です。
その中で、令和5年度は、胆嚢炎等の胆嚢疾患の手術を計110件行いました。ほとんどが腹腔鏡下に胆嚢を摘出しています。以前は胆嚢炎に対しては、発症後3日以内では手術治療、4日経つと保存治療を行っていましたが、現在は発症日に関わらず手術治療を第一に選択しています。
鼡径ヘルニア(いわゆる脱腸)の手術は年齢や既往症によって手術方法を変えて行っています。従来の鼡径部から手術する方法、腹腔鏡を使用する方法、医療材料(メッシュ)を使用する方法等です。患者様の状態に併せて手術を選択します。
乳房の悪性腫瘍に対する手術は、変形の少ない乳房温存手術を多数行っていますが、がんの進展具合によっては、乳房全摘手術も行います。また形成外科医の赴任に伴い乳房再建手術も行うようになりました。
甲状腺は、癌のみならず、バセドウ病や良性腫瘍に対しても切除術をおこなっています。

整形外科 診療科コード 120

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 136 25.42 25.50 53.68 81.01
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 114 12.68 15.66 7.02 71.45
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 70 2.79 4.76 0.00 59.36
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1なし 60 15.18 19.32 18.33 69.38
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 60 17.10 19.94 20.00 70.47

当院は救急告示病院の為、外傷疾患の受診が多く、その中でも特に多いのが、高齢者の大腿骨近位部骨折です。大きな合併症が無ければクリニカルパス(入院から退院までの治療・検査のスケジュールを時間軸に沿い記述した計画表)を利用して、受傷後48時間以内の早期手術と術後早期のリハビリテーションを行っております。脊椎関連疾患としては、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症等は、当院が地域医療支援病院であることから近隣のクリニックからの紹介受診が多く、こちらも受傷後の早期手術と早期リハビリテーションを行っています。胸椎や腰椎の骨折は、疼痛緩和を主体としてコルセットを用いた保存的加療を主として行っておりますが、症例によっては、経皮的椎体形成術や椎体間固定術を行っています。

形成外科 診療科コード 130

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 3.14 4.63 0.00 28.50
070570xx012xxx 瘢痕拘縮 瘢痕拘縮形成手術 手術・処置等12あり 9.96
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 4.28
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 7.47
090010xx03xxxx 乳房の悪性腫瘍 動脈(皮)弁及び筋(皮)弁を用いた乳房再建術(乳房切除後) 二次的に行うもの 15.43

形成外科ではあらゆる体表の“キズ”と“瘢痕”の治療を行っています。身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献する、外科系の専門領域です。外傷(熱傷)、瘢痕形成、腫瘍切除後の再建(皮膚悪性腫瘍切除後の再建、乳房再建など)を診療対象の3本柱とし、頭蓋・顎・顔面の外傷や再建では、脳外科・耳鼻科・眼科とチームになって治療に携わります。

脳神経外科 診療科コード 150

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 98 17.37 15.70 33.67 68.46
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 52 3.46 2.95 0.00 60.77
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 21.36 19.09 65.96 63.04
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 42 15.24 9.88 21.43 77.74
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 27 24.74 22.61 70.37 68.93

入院される方の約半数は、脳腫瘍等や血管障害、機能的疾患に対する計画的な検査や治療で、血管内治療、血行再建外科(バイパス術)や頭蓋底外科とその応用が当科の特徴になっています。一方で、入院のおよそ50%は、突然発症する脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳卒中への対応で、これらに関しても、当科の運営する24時間体制の「脳卒中センター」でその対応にあたっています。早期から脳卒中センター医が診療を行うことで、時間との勝負である脳梗塞に対するt-PA投与やカテーテルによる血栓回収療法といった超早期治療、緊急開頭術などの適応判断と実施を行い奏効しています。また、これらの急性期治療とともにリハビリテーションについても早期から積極的に取り組み、回復期および維持期の地域の病院・医院やクリニックとの連携に力を入れています。

産婦人科 診療科コード 220

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮鏡下子宮中隔切除術、子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術を含む。)等 53 1.77 2.48 0.00 53.58
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 45 9.71 9.34 0.00 31.87
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 38 3.82 2.96 0.00 46.97
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 34 18.76 20.10 14.71 32.21
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 29 4.93 6.00 0.00 45.66

当院では、地域周産期母子医療センターとしての役割の元に多胎や切迫早産などの管理を多く行っており、場合によっては帝王切開術を要することも多い状況です。不正性器出血精査目的の紹介も多く入院が増えています。精査後に、子宮体がんと診断され子宮体部悪性腫瘍手術を要する症例も見られます。また、子宮頚部上皮内腫瘍に対する円錐切除術も行っております。近隣で婦人科良性腫瘍の手術を行う施設が減っている事から、卵巣および子宮の良性腫瘍に対する手術も増えています。その中でも特に卵巣の腹腔鏡下手術目的の入院が増えています。

眼科 診療科コード 230

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 225 2.98 2.54 2.67 74.28
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 114 3.89 4.46 0.00 74.77
020290xx97xxxx 涙器の疾患 手術あり 39 6.31 4.48 0.00 65.54
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 30 2.77 2.82 0.00 75.73
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 14 3.79 3.17 0.00 27.07

眼科では白内障をはじめとした手術加療が必要な患者様を中心に診療を行っています。また、眼瞼(まぶた)、眼窩(眼の周りの骨に囲まれた部分)、涙道(涙の通り道)など眼の周りを対象とする眼形成診療を積極的に行っています。顕微鏡を用いる眼窩骨折手術も積極的に行っており、特殊な症例として甲状腺眼症の減圧術や涙のう鼻腔吻合術(鼻内法)にも対応しています。白内障、緑内障などの一般眼科に加えて眼形成・涙道疾患に対する専門診療を行っています。

耳鼻咽喉科 診療科コード 240

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 12 7.58 5.51 0.00 39.08
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 8.37
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13.90
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 4.73
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 6.02

近隣のクリニック・病院からの扁桃周囲膿瘍の患者様の紹介が増加しています。また、前庭機能障害(いわゆるめまい)で近医や当院急病センターを通して受診される患者様も増えています。

皮膚科 診療科コード 300

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 49 11.98 12.88 4.08 51.98
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 28 8.04 7.22 0.00 81.93
080006xx97x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2なし 13 6.15 9.40 0.00 80.85
050180xx99xx0x 静脈・リンパ管疾患 手術なし 定義副傷病なし 14.29
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 3.93

蜂窩織炎を主とする皮膚感染症が多数を占めます。皮膚感染症のうち切開術を要するものは、処置などが必要なこともあり在院日数が伸びる傾向にあります。手術加療にも積極的に取り組み、悪性腫瘍のほか、糖尿病性足病変の手術加療症例が増加傾向にあります。

泌尿器科 診療科コード 310

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 83 2.57 2.44 0.00 71.29
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 39 5.00 7.08 5.13 78.36
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 38 6.39 6.59 0.00 75.84
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 32 6.38 5.22 3.13 68.13
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 27 12.33 13.52 11.11 79.56

がん診療連携拠点病院の為、前立腺に対するロボット手術、腎がんや膀胱がんに対する腹腔鏡、内視鏡手術で傷が小さく負担の少ない治療を行っています。また手術のみならず、放射線治療や、尿路結石に対する治療、排尿障害に対する精密検査および治療等にも力を入れています。

呼吸器内科 診療科コード 340

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 43 26.51 18.65 9.30 71.37
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 38 3.11 2.98 2.63 70.82
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 6.76 6.37 0.00 50.43
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 10.70 13.70 5.00 74.15
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 17 15.53 8.33 0.00 69.06

呼吸器内科は、胸部異常陰影の精査依頼の紹介患者さんが多く、肺がんの診療が増加する傾向にあります。一方、肺炎や胸膜炎、喘息発作などの急性呼吸器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患の治療、難治性咳嗽や呼吸困難等で紹介された呼吸器疾患への精査等、幅広く呼吸器疾患の診療を行っています。10歳台の若年者から100歳以上の超高齢の方まで、様々な年代の患者さんの診療に対応しています。また、他院で診断困難な縦隔リンパ節生検や、遠隔地や離島からの紹介患者さんも数多く受け入れております。

循環器内科 診療科コード 350

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 135 5.16 4.57 1.48 70.25
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 130 3.38 3.05 2.31 71.34
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 70 6.24 4.26 2.86 69.20
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 65 13.69 13.52 9.23 76.23
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 53 19.55 17.38 11.32 84.85

当科では、虚血性心疾患を背景とした狭心症や心不全での入院が多く、その約半数にカテーテル検査や治療を行っています。これに次いで多いのが、心房細動や頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療による入院です。急性心筋梗塞に対しての緊急カテーテル治療も行っています。特に虚血性心疾患、心不全の救急疾患に対しては 24 時間体制で治療を行える体制を整えています。

腎臓内科 診療科コード 410

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 35 16.09 13.52 14.29 75.94
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 29 12.03 20.60 31.03 85.10
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 26 22.23 20.03 15.38 75.42
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 20 15.50 10.25 15.00 73.45
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 18 5.17 4.73 0.00 64.56

腎臓又は尿路の感染症は比較的多くみられる感染症ですが、敗血症を合併することがあり、そのような場合は、入院下での長期の抗菌薬経静脈投与が必要となります。また、急性巣状細菌性腎炎や腎膿瘍に至る症例は、その治療期間が1ヶ月もしくはそれ以上を要することもあり、入院期間はさらに長期化しています。膠原病などの自己免疫疾患は自院症例だけでなく、かかりつけ医からの紹介例も多く含まれます。肺、腎など多臓器にわたる重篤障害を来すことがあり、呼吸不全から人工呼吸器管理、腎不全から透析療法などが必要となることもあります。免疫抑制剤の使用に伴う感染症・骨髄抑制などの合併症併発、治療も血漿交換など特殊透析を要する症例もあり、入院は長期化する傾向にあります。慢性腎炎症候群などは、自院症例だけでなく、かかりつけ医からの紹介例も多く受けています。腎生検施行から免疫抑制剤使用による治療、経過中に合併症発症あればその対処まで含まれます。治療は終生にわたることが多く、治療反応性を確認しながら治療内容も調整していくため、入院は長期化する傾向にあります。体液・電解質異常・酸塩基平衡障害は比較的多くみられる高齢者の低ナトリウム血症から、尿細管性アシドーシスなどの比較的まれな症例まで含みます。電解質補正のために時間を要することが多く、また比較的まれな症例は、その診断のために煩雑な負荷試験を要し、入院期間は長期化する傾向にあります。特に高齢者の場合、いずれの前述した病態でも廃用性障害の併発や認知機能低下が進むことがあり、これも入院期間が長期化する一因となっていると考えられます。

血液内科 診療科コード 480

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 29 6.90 9.62 0.00 69.55
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等25あり 26 6.77 16.12 0.00 71.42
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 14 19.71 19.61 0.00 76.29
130030xx99x8xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等28あり 11 17.45 14.76 0.00 73.00
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり 36.19

血液内科では悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍の患者さんが多く入院します。
B細胞性リンパ腫は悪性リンパ腫の中で最も多いタイプであり、リツキシマブという分子標的療法薬による化学療法を短期入院で3週間毎に繰り返します。急性白血病は1回の化学療法につき1ヶ月から1ヶ月半の入院治療を要することが多く、4~5回程度繰り返します。いずれの疾患でも化学療法は短期入院が基本ですが、離島の患者さんでこまめな通院が困難な場合は1回2ヶ月程度の長めの入院となる患者さんもいます。

消化器内科 診療科コード 500

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 148 2.38 2.61 0.00 66.36
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 104 7.34 7.58 0.00 64.76
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 53 7.42 8.55 0.00 64.00
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 9.37 8.75 5.88 75.73
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 50 4.00 6.45 0.00 66.60

消化器内科は食道・胃・(十二指腸含む)小腸・大腸といった消化管や、肝臓・胆道系(胆嚢・胆管)・膵臓など、多くの臓器の疾患を診療対象とし、良性・悪性疾患の診断・治療まで幅広くカバーしています。早期大腸がん及びポリープ切除や大腸憩室炎が最も多い疾患となっています。内視鏡などで胆石除去を行う事も多い胆石、胆管炎の患者さんも多く入院しています。

糖尿病内科 診療科コード 530

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 50 13.94 13.99 2.00 59.80
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 14.78 13.15 0.00 61.78
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 11 7.91 5.10 0.00 36.27
100202xxxxxx0x その他の副腎皮質機能低下症 定義副傷病なし 9.10
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 6.47

当科では糖尿病を中心に、甲状腺、下垂体、副腎疾患などの内分泌疾患の診療を行っています。2型糖尿病患者及び、副腎腫瘍の患者の数が多く、原発性アルドステロン症のスクリーニングで異常の認められる患者の増加に伴い、ホルモン検査目的で入院される患者も多く受け入れております。

総合内科 診療科コード 600

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 47 10.36 13.52 6.38 75.47
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 39 13.08 20.60 25.64 83.51
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 15 18.53 20.03 13.33 79.40
0400801299×000 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア0 8.72
0400801299×002 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア2 12.34

総合内科は、主に高齢の患者さんを多く診ています。高齢者に多い誤嚥性肺炎、敗血症(尿路感染症が原因であることが多い)などが主な疾患です。もちろんER(急病センター)で初期治療を行った若年者のその他の疾患の診療も行っています。施設や療養型の病院からの入院も多く、家族そして多職種と連携して退院調整にあたり、その後の療養がうまく行くように調整を行います。

3.初発の5大癌のUICC病期分類ならびに再発患者数
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5大癌 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ 不明 再発 病期分類基準 版数
胃癌 23 6 5 22 6 5 1 8
大腸癌 30 35 45 43 57 10 1 8
乳癌 35 36 7 2 5 16 1 8
肺癌 6 5 30 49 6 11 1 8
肝癌 12 6 7 4 0 9 1 8

5大癌とは、日本でもっとも罹患率の高いとされる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の事をいいます。5大癌について入院治療を行った、初発、再発の延べ患者数を示しています。当院において、癌の診断、初回治療を行った場合を「初発」として病期分類ごとに集計し、初回治療が完了した後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を「再発」として集計しています。UICC病期分類とは、癌がどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage 0期からⅠ~ Ⅳ期に分類していますが、0期は集計対象外となっています。
患者数では、大腸癌がもっとも多く、次いで肺癌、乳癌、胃癌、肝癌となっています。特に大腸癌、肺癌のステージⅢ、Ⅳの割合も高い数値となっていますが、同一患者が化学療法等で繰り返し入院する場合はそれぞれカウントされている事が影響しています。 一方、胃癌でⅠ期の割合が高く、大腸癌では今回集計されていない0期の患者数も多くなっているのは、消化器内科の「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」の専門医がおり、がんの早期診断・早期治療に積極的に取り組んでいることが影響していると推測されます。また乳癌でⅠ期の割合が高くなっているのは、地域がん診療連携拠点病院として近隣のクリニックと連携をし、放射線治療の患者を多く受け入れていることが影響していると考えられます。乳房同時再建の実施が増えたこと等により、Ⅱ期の患者さんも増えております。
当院では早期から進行・再発癌まで、その進行度に合わせ、内視鏡治療、腹腔鏡手術など低侵襲治療から、他臓器合併切除手術、抗がん剤治療、放射線治療まで、患者さんに合わせた集学的治療を実地しています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
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重症度 患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 39 8.92 53.13
中等症 142 13.54 74.47
重症 25 27.04 80.64
超重症 7 13.71 85.14
不明 0 0.00 0.00

市中肺炎、即ち自身で外来受診される患者から、自宅から救急車により緊急受診される方まで、幅広い重症度の患者の診療にあたっています。その原因微生物も多彩ですが、喀痰が得られる場合には原則として顕微鏡による検査と培養を行い、また抗菌薬による治療が開始される場合には、血液培養検査も施行することにより、出来るだけ原因菌の確定に努め、複数の呼吸器専門医による治療の妥当性の評価が行われます。軽症の場合は外来治療が基本ですが、患者さんの状態によっては入院しての加療となります。救急および救急車による受診患者が多いため、中等症以上の患者が多く見られます。また、重症度があがるにつれて平均年齢も高くなる傾向があり、さらには治療終了後の受け入れ先の調整にも時間を要することが多くなります。従って在院日数も延びる傾向がみられます。治療は、急性呼吸不全への呼吸循環管理、および点滴薬剤投与が中心です。病態に応じ最新の医療機器(人工呼吸器、NPPV、ネーザル・ハイフロー等)を積極的に活用しての呼吸管理を行っています。

5.脳梗塞の患者数等
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ICD10 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率 転院患者数 合計在院日数 合計年齢
I63$ 3日以内 214 21.93 73.73 37.23 86 4,693 15,778
I63$ その他 17 25.24 76.53 3.9 9 429 1,301

脳梗塞を含めた虚血性脳血管障害は、麻痺や言葉の障害など発症後の生活に大きな影響を与える障害を残します。発症した際、早期に的確な診断と血行再建などの急性期治療を行い、後遺障害をなるべく軽くするようにしているのと同時に、後遺障害に対しては早期からリハビリテーションを行い、機能改善を図っています。

6.診療科別主要手術別患者数等
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100小児科

110外科

120整形外科

130形成外科

150脳神経外科

220産婦人科

230眼科

240耳鼻咽喉科

300皮膚科

310泌尿器科

350循環器内科

500消化器内科

小児科 診療科コード 100

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 30 0.00 28.33 6.67 0.00
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの
K1381 脊椎披裂手術 神経処置を伴うもの
K190-5 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填

当院はNICUを開設しており、産科とのスムーズな連携により新生児仮死の患者さんの救命に力をいれています。腸重積症の治療は非観血的整復術が第一選択であり、それにて整復できない場合に外科的(観血的)整復術が必要となります。当院ではどちらにも対応できる環境を整えているので患者数が比較的多い理由と考えられます。

外科 診療科コード 110

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 112 0.97 4.21 1.79 62.38
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 95 1.00 0.75 0.00 31.82
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 42 1.02 2.86 2.38 65.12
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 41 2.68 11.15 0.00 65.76
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 35 0.29 2.71 0.00 25.09

当院はがん診療連携拠点病院のため、外科ではがんの手術を優先して行っています。内訳は、肺癌・食道癌・胃癌・大腸癌・肝臓癌・胆道癌・膵臓癌・乳癌・甲状腺癌等です。
その中で、令和5年度は、胆嚢炎等の胆嚢疾患の手術を計110件行いました。ほとんどが腹腔鏡下に胆嚢を摘出しています。以前は胆嚢炎に対しては、発症後3日以内では手術治療、4日経つと保存治療を行っていましたが、現在は発症日に関わらず手術治療を第一に選択しています。
鼡径ヘルニア(いわゆる脱腸)の手術は年齢や既往症によって手術方法を変えて行っています。従来の鼡径部から手術する方法、腹腔鏡を使用する方法、医療材料(メッシュ)を使用する方法等です。患者様の状態に併せて手術を選択します。
乳房の悪性腫瘍に対する手術は、変形の少ない乳房温存手術を多数行っていますが、がんの進展具合によっては、乳房全摘手術も行います。また形成外科医の赴任に伴い乳房再建手術も行うようになりました。
甲状腺は、癌のみならず、バセドウ病や良性腫瘍に対しても切除術をおこなっています。

整形外科 診療科コード 120

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)椎弓形成 163 1.18 10.90 8.59 70.10
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 92 2.99 21.68 48.91 75.68
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 87 1.24 18.33 5.75 70.28
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 68 0.78 4.51 1.47 60.59
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 60 3.53 19.70 55.00 81.57

当院は地域医療支援病院の為、近隣のクリニックからの紹介が多く、上・下肢の骨折や腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症を主に治療しています。椎弓形成術は顕微鏡下で行っており、必要に応じて固定術を追加する場合もありますが、経皮的スクリューを用いた低侵襲の固定術が多くなっています。クリニカルパスを利用して、在院日数短縮に努めています。また、上・下肢の全ての骨折の治療を行っており、最新の手術法も積極的に取り入れています。上肢と足関節の骨折は、超音波下での伝達麻酔を積極的に導入し、患者さんの希望によっては外来手術も多く行っています。病状が落ち着いたら、地域のクリニックへ積極的に逆紹介しています。

形成外科 診療科コード 130

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 10 0.40 1.10 0.00 27.40
K0022 デブリードマン 100c㎡以上3,000c㎡未満
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後)
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの) 指(手、足)

形成外科ではあらゆる体表の“キズ”と“瘢痕”の治療を行っています。身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献する、外科系の専門領域です。外傷(熱傷)、瘢痕形成、腫瘍切除後の再建(皮膚悪性腫瘍切除後の再建、乳房再建など)を診療対象の3本柱とし、頭蓋・顎・顔面の外傷や再建では、脳外科・耳鼻科・眼科とチームになって治療に携わります。

脳神経外科 診療科コード 150

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 38 1.45 15.76 21.05 78.87
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 28 0.61 27.39 35.71 59.21
K1783 脳血管内手術 脳血管内ステントを用いるもの 18 1.33 5.11 0.00 63.22
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 13 3.23 33.69 38.46 52.69
K1781 脳血管内手術 1箇所 13 0.38 24.38 23.08 63.08

脳血管障害、脳腫瘍、機能的疾患などの多数の手術の中、当科で実際に行われている手術の中で、件数が多いのは、脳動脈瘤に対する手術です。この中には、カテーテルを用いて行う血管内治療と、開頭して施行するクリッピングがあり、動脈瘤の部位や形状、全身状態を十分に検討の上、なるべく負担の少ない治療を行っています。上記のように多くの場合、動脈瘤は1個のことが多いですが、中には複数個の動脈瘤があり同時に治療する場合、或いはバイパス術との併施で血管遮断を行う場合などもあり、それらを合わせると年間60症例以上の手術数となっております。その他、慢性硬膜下血腫は高齢者に比較的多くみられる疾患で、局所麻酔で行い、手術直後から麻痺の改善などがみられるなど著効がみられています。

産婦人科 診療科コード 220

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 64 0.03 1.02 0.00 53.92
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 63 4.57 7.48 0.00 31.59
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 39 6.59 7.23 0.00 33.18
K867 子宮頸部(腟部)切除術 36 1.03 1.89 0.00 47.78
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 33 0.85 3.15 0.00 45.30

地域周産期母子医療センターの役割として母体搬送が多く、搬送後に緊急帝王切開や多胎・既往帝王切開のため選択的帝王切開術も多数みられます。また、若年者の初期の子宮頚がんの増加に伴い子宮頚部の円錐切除術が増加しています。

眼科 診療科コード 230

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 333 0.92 1.38 1.80 74.39
K204 涙嚢鼻腔吻合術 25 1.00 6.32 0.00 68.96
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 14 0.29 1.79 0.00 79.93
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの 13 0.15 1.00 0.00 74.46
K2172 眼瞼内反症手術 皮膚切開法 11 0.73 1.18 0.00 15.82

眼科では白内障をはじめとした手術加療が必要な患者様を中心に診療を行っています。また、眼瞼(まぶた)、眼窩(眼の周りの骨に囲まれた部分)、涙道(涙の通り道)など眼の周りを対象とする眼形成診療を積極的に行っています。顕微鏡を用いる眼窩骨折手術も積極的に行っており、特殊な症例として甲状腺眼症の減圧術や涙のう鼻腔吻合術(鼻内法)にも対応しています。白内障、緑内障などの一般眼科に加えて眼形成・涙道疾患に対する専門診療を行っています。

耳鼻咽喉科 診療科コード 240

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 21 1.00 10.14 0.00 31.19
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
K318 鼓膜形成手術
K370 アデノイド切除術
K2862 外耳道異物除去術 複雑なもの

口蓋扁桃摘出手術は、IgA腎症の腎臓内科の治療の一環としての手術、習慣性扁桃炎、睡眠時無呼吸過眠症候群の治療として扁桃肥大の手術が増加してきています。また、好酸球性副鼻腔炎副鼻腔炎に対する副鼻腔手術も増加傾向です。

皮膚科 診療科コード 300

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 37 0.14 6.38 0.00 79.59
K753 毛巣嚢、毛巣瘻、毛巣洞手術
K0151 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術 25c㎡未満
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術 25c㎡以上100c㎡未満
K013-21 全層植皮術 25c㎡未満

皮膚外科分野の診療を積極的に行い手術件数は順調にのびてきています。皮膚科も地域がん診療連携拠点病院として皮膚悪性腫瘍の手術加療に重点を置いています。順調に件数ものびています。その他にも良性腫瘍や創傷、褥瘡も多く、手術術式は形成手術まで多岐にわたっていることも特徴です。

泌尿器科 診療科コード 310

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 69 1.32 2.29 4.35 70.74
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 48 1.73 4.52 0.00 76.54
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 32 1.59 3.78 3.13 68.13
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 29 1.48 8.55 0.00 67.03
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 22 1.27 1.82 0.00 75.55

当院での経尿道的尿管ステント留置術は、尿管結石を伴った尿路感染や消化器科、婦人科の進行がん及び悪性リンパ腫等によって尿管狭窄を来した患者さんへの対症療法として施行する場合が多いです。クリニックから紹介の多い尿管結石に対しては、レーザーによる経尿道的尿管結石除去術を行っています。また、がん治療については積極的に低侵襲な内視鏡治療を中心に治療を行っております。地域医療の中核として質の高い医療を提供しています。

循環器内科 診療科コード 350

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 114 1.58 2.79 1.75 72.01
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 52 3.71 2.96 1.92 69.33
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 28 2.46 3.43 3.57 64.54
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 25 2.64 2.48 0.00 75.76
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 22 1.14 7.59 4.55 80.59

心房細動や頻脈性不整脈に対し、アブレーション治療(経皮的カテーテル心筋焼灼術)件数が増加しており、当科の主要手術となっています。当院には、24時間365日救急患者に対応する急病センターが設置されており、急性期の心血管疾患に24時間対応しています。このため、狭心症・不安定狭心症・急性心筋梗塞への経皮的冠動脈形成術/経皮的冠動脈ステント留置術も当科の主要手術となっています。また、末梢動脈疾患の血管内治療として、四肢の血管拡張術・血栓除去術等の症例にも対応しています。

消化器内科 診療科コード 500

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 145 0.97 1.26 0.00 68.30
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 60 0.87 2.05 0.00 65.63
K654 内視鏡的消化管止血術 45 0.71 13.24 20.00 74.60
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 35 1.77 14.03 11.43 75.54
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 34 2.38 7.59 2.94 72.68

ポリープの患者さんに行われる内視鏡的切除術が最も多く、早期大腸がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術も専門医が在籍しており、多く施行しています。大腸がんは検診の有用性が証明されており、早期発見すれば内視鏡治療による根治が期待できます。胆管結石の患者さんに行う内視鏡的乳頭切開術も多く行われています。現在は内視鏡的治療が進歩しているので、開腹せず、内視鏡的に消化管腫瘍の摘出や胆管結石の除去を行うことが多くなってきました。消化器内科が中心となり、内視鏡治療を行っています。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC 入院契機 症例数 発生率
130100 同一 0 0.00
130100 異なる 5 0.04
180010 同一 62 0.55
180010 異なる 120 1.07
180035 同一 0 0.00
180035 異なる 1 0.01
180040 同一 30 0.27
180040 異なる 22 0.20

当院は地域医療支援病院であり、近隣の病院やクリニック、介護老人保健施設、老人ホーム等からの紹介や緊急での入院が多く、中でも肺炎や尿路感染症で敗血症を合併している患者さんを多く対応しています。また、地域がん診療連携拠点病院でもある為、抗がん剤加療中の免疫低下傾向の患者さんも多く、真菌感染症の発生もあります。手術・処置の合併症で多いのは、早期では術後再出血や腹腔内膿瘍形成、創感染ですが、SSI(手術部位感染Surgical site infection:SSI)等の感染対策チーム等の協力もあり、年々発生率は減少傾向にあります。また、晩期では腸閉塞等がありますが、保存的に経過を診て軽快する場合が多く、再手術(最近では腹腔鏡下で行う事が多くなった)例は稀であり、令和5年度は0件となっています。

令和5年度 那覇市立病院 医療の質指標

1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
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指標 分母:肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数 分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数 割合
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 1553 1464 94.27%

下肢および骨盤内などの深部静脈に血栓が生じた状態を深部静脈血栓症と呼びます。この深部静脈血栓が遊離して静脈血流によって肺に運ばれ、肺動脈を閉塞することにより呼吸循環障害を生ずる病態が肺血栓塞栓症です。予防の対象となる処置や疾患によって低リスク、中リスク、高リスク、最高リスクの4段階に分類され、高齢、肥満、既往等の危険険因子を加味して総合的なリスクレベルが決定されます。
当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した入院患者さんに対し、高い割合で予防対策を実施しております。

2.血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

指標 分母:血液培養オーダー日数 分子:分母のうち、血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数 割合
血液培養2セット実施率 6293 4491 71.37%

ヒトの血液の中は常に無菌の状態に保たれていますが、何らかの理由により血液中に病原菌が侵入することが有ります。この状態を「菌血症」と呼びます。「菌血症」は生体にとって異常事態であり、血流に入った菌が全身を飛び散って感染が拡大したり、生体の過剰な反応によって「敗血症」と呼ばれる深刻な病態を引き起こす可能性があります。
血液培養とは、採取した患者さんの血液を液体培地の入ったボトルに入れて数日間培養する検査であり、血液内の病原菌の有無を調べることができます。病原菌は、大きく好気性菌と嫌気性菌に分類することが出来ます。好気性菌は生きるために酸素が必要な菌、逆に嫌気性菌は酸素が不要な菌で、二つの菌は生きる環境が異なるため、血液培養検査を行う際は、それぞれの菌が発育するのに適した2種類のボトルを1セットとして使用します。
近年では、血液培養検査での検出感度を上げるために、血液を複数セット採取する医療機関が増えてきており、感染症の診断精度の向上に寄与しています。

3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

指標 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数 割合
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 679 627 92.34%

通常、抗菌薬は特定の細菌に対して使用しますが、幅広い種類の細菌に効く(広域スペクトラムを有する)抗菌薬も存在しており、これを「広域スペクトル抗菌薬」といいます。幅広い種類の細菌に使えるという点では便利ですが、使用し過ぎると患者さんの体内の薬剤耐性のない細菌がいなくなり、薬剤耐性菌のみが生き残る環境になってしまう可能性があります。このことから、抗菌薬の適正使用の推進が必要となります。そのために正確な微生物学的診断や、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が求められます。これらの細菌検査の結果を基に広域スペクトルでは無い適正な抗菌剤に変更していきます。

更新履歴
2024/9/30
令和5年度 病院指標を公表