診療科・各部門紹介
RI 核医学検査
核医学(RI)検査とは
核医学(RI)検査とは、放射線医薬品を注射または服用した後、体内から出てくる微量の放射線を体の外から特殊なカメラ(ガンマカメラ)で撮影していく検査です。
特定部位に集まる特性を持つ放射線医薬品を使用することにより、病気や臓器などの代謝状態を画像化・数値化することができます。そのため、機能評価や病気診断、治療効果判定に役立ちます。
当院では、心筋血流検査・脳血流検査等のSPECT(スペクト)を用いた血流検査や、骨シンチ・ガリウムシンチのように腫瘍、炎症を対象とした検査、甲状腺シンチ、副腎シンチの内分泌検査等を行なっています。
Canon社製 Symbia E
骨シンチ
骨シンチは下記の内容を目的に検査が行われます。
- 悪性腫瘍の骨転移検索
- 代謝性・炎症性骨疾患の評価
- 外傷、骨折(特に疲労骨折)の診断
テクネシウムという放射性医薬品を注射して、3~4時間程度待機してもらい検査します。
通常は午前中に注射し、午後からの検査になります。
検査時間は大体40~50分程度で終了します。
脳血流シンチ
脳血流シンチは発作直後の脳虚血巣(脳梗塞部位)の描出が可能で、DIAMOX負荷による脳循環予備能の評価が行えます。また、手術前後における脳血流の回復程度の評価、アルツハイマー病などの認知症疾患の脳血流分布評価も行えます。検査時間は、大体1時間程度で終了します。
症例/左中大動脈閉塞症
手術前
手術後(STA-MCAバイパス術後)
ラジオアイソトープ(RI)治療
那覇市立病院では検査だけではなく、特定の臓器に集まる放射線医薬品の特性を利用して行うRI内服・内用療法も行っています。
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療
- 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の骨転移治療
放射性医薬品を用いるので、治療後しばらくは周りの方を被曝させないために患者さんに配慮をお願いしています。詳しくは治療時に説明いたしますが、この被曝により周りの方の健康を害することはありませんので安心して治療を受けてください。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の治療
バセドウ病の治療は、甲状腺にヨウ素が集まる性質を利用した治療法です。アイソトープのヨウ素が入ったカプセルを服用し、甲状腺に集まったアイソトープから出る放射線で甲状腺の働きすぎている細胞を減少させて、甲状腺ホルモンが過剰に作られないようにします。
去勢抵抗性前立腺がん(CRCP)の骨転移治療
専用に開発された世界初のアルファ線放出放射性医薬品を用いた治療法です。静脈注射により薬剤を注入すると、骨転移巣などの骨代謝がさかんな部位に薬剤が集積し、腫瘍細胞を減少させます。月に1回、最大6ヶ月間の治療期間になります。
治療に関するご質問等は、専門の医師にご相談ください。